金子みすゞさんは、ツバメグサとミコシグサのことを、詩に書いています 「二つの草」~せいたかのっぽのつばめぐさ、秋の風ふきやさやさやと、右に左に、ふりむいて、もとの友だちさがしてる。ちひさく咲いた足もとの、おみこし草を知りもせず。(金子みすゞ全集Ⅱ、JULA出版局)
「つばめぐさ」のことですが、柏書房・草木名彙辞典に、オヘビイチゴの別名として、ツバメグサ燕草がありました
オヘビイチゴですが、せいたかのっぽではありません みすゞさんの詩のつばめぐさではないようです
山口県植物誌には、「つばめぐさ」の方言は載っていません
子どもの頃、この辺りでも栽培されていた、牧草、エンバク燕麦のことではないかと思いました エンバク燕麦は、牧草、オートムギのことで、明治に移入されたようです カラスムギを改良して作られたそうで、マカラスムギの名があります
エンバク燕麦のもととされるカラスムギです 穂の形が、ツバメの尾に似ています 育ち始めは、麦のようだからエンバク燕麦
カラスムギは、成長してもそんなに高くはなりませんが、エンバクは、1m以上になります ただ、秋風が吹き始めるころに残っているとすれば、収穫時期が遅いようです
「おみこしぐさ」は、今でもその名がついているミコシグサ神輿草、ゲンノショウコのことでしょう 防長風土注進案深川村の草類に、神輿草の記載があります 山口県植物誌に、ゲンノショウコの方言 みこしぐさ 各地、かみさまぐさ 長門 とあります
実が割れたあとは、おみこしの屋根のように見えます
エンバク燕草の写真が撮れなかったので、図にしてみました
こんな感じでしょうか 人生色々 人それぞれ