長門市、「いこいの森三隅」の植物観察をしています
いこいの森周辺でも、長門地方で、春の野草として、昔から食されてきた「げんごろべえ」が、若芽を出し始めました
葉が開いていないものを摘みました 芯は、これから芽が出るために、残しておきます
早速、ごま和えにしていただきました 春の香りがします
「げんごろべえ」のことは、天保の書、防長風土注進案にも出ています
通浦に、源五兵衛(げんごべえ)という名があります 前胡(ゼンコ):当所の産は、女前胡(メゼンコ)なるべし、薬草に不堪(たえず)、春分、葉茎を採って食う、風味よし、浦民、総て源五兵衛という
私も、子どものころから「げんごろべえ」と言って、食べていました
「げんごろべえ」とは、ハナウドのことで、5月、白い花が咲きます 花は不規則な形をしていて、大きい花弁ができます
ところで、ハナウドは、漢名「白芷(ビャクシ)」 広辞苑には、白芷(ビャクシ)とは、ヨロイグサのことで、ハナウドは、一説とあります
風土注進案、俵山村、薬草類に、参考になる名前があります 前胡(ゼンコ、ノダケのこと)、獨活(ドッカツ、ウドのこと)、羗活(キョウカツ、ヨロイグサのこと)、白芷(ビャクシ、ハナウドのこと)と、近種が並んでいます 長門地方では、白芷(ビャクシ)とは、ハナウドのことでよさそうです
げんごろべえ(ハナウド)は、線路沿いにたくさん生えています 右の地主の方が、線路の斜面まで、草刈りをされているので、この生態が維持されているのです 私は、20年以上も前から、線路沿いまで草刈りをしていません すっかり竹藪になっています 場所によっては、ときどきJR関係者が刈っておられます 今もって草刈りをされている方に敬服します
今、いこいの森周辺、道沿いのあちこちで、げんごろべえが芽を出しています 春、いこいの森に来られたときは、「げんごろべえ」もお楽しみください